煮る方法は食材を調味料と共に鍋を用いコンロに掛けて行うのが常識である。

量産の場合は大型の蒸気による間接加熱方式のジャケットパンを利用して行うことが多い。

煮る事は火力の調節が多少雑でも沸騰点は一定であり失敗は少ない。よく考えて見ると煮ることも100℃で行う事が本当に良いのだろうか。もし低い温度が良いとすれば、温度調節付鍋を作れば良い事になる。事実大型のジャケットパンには温度調節付きのものもある。煮る作業を見ていれば分る事だが、水面から蒸発が行われており時間が長ければ中の液は濃縮と同じ作用となっている。また別な角度で見れば水面は常に空気に触れ酸化作業が行われている。これは小さなたいして問題とする程の事で無いかも知れない。しかし美味しい料理、食品を作る上で微妙な違いが生じるのであれば考えて置いても良いと思われる。一般的にはスチーミングによる煮物を行う考えが殆どないと言って良い。調味液と食物を容器に入れ70℃〜90℃の温度でスチーミング加熱を行う、当然の事ながら室内は湿度100%であり蒸発は行われない。長時間の加熱でも濃縮、酸化が生じない、さらに温度を抑える事で香りが明らかに良いのである。何とも表現が難しいが、円やかな美味しさと香りの良さは検討に値する調理加工法と言える。